梶井基次郎

ミュージアム

レンブラントを愛した中村彝

いきなり蛇足になるが、昨年の夏、梶井基次郎の「闇の絵巻」を読んでいて、私自身の幼い頃のある記憶が甦ってきたことがあった。 ――虫のざわめきが微かに聞こえる夜。踏切の前で停止する母の自転車の後部に乗っていた幼少の私は、ふと見上げた。踏切の電灯...
文学

リルケの駆け落ち話

【またもや登場の高校国語教科書『新現代文』】 馴染みの薄い作家を読むと、ゾクゾクとするものを感じる。 この場合の馴染みが薄いとは、存在を知っていながらもわざと遠慮して、理解を恐れ読まずにいた、という意である。  以前ここで書いたことのある梶...
美術

檸檬とカルピスの包み紙

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文学

檸檬と丸善

【筑摩書房の高校国語教科書『新現代文』】 京都がすっかり遠くなった。 私自身、2011年以降の音楽制作がかなり熱を帯びたものになってから、それ以前の〈気が向いたら京都へ〉という自然の思考回路がOFFになってしまっているのである。そんな中、丸...