千代田学園の「千代田祭」備忘録
眼の楽園
伴田良輔『眼の楽園』―モーテルという享楽
【またもや登場。伴田良輔著『眼の楽園』】 人々の内に秘めた猥雑さを剥ぎ取ってしまったもの、それがパンデミックのコロナ禍(COVID-19)だ。コロナ禍が、あらゆる想念の《旅愁》すら消し去ってしまった。 それを取り戻すのに、およそどれだけの...
日々の某と「新潮新人賞」の備忘録
【2024年5月2日付朝日新聞朝刊「米大学占拠 学生ら抗議のうねり」】 先日の「小説すばる新人賞」の例に倣って、ここでは「新潮新人賞」の応募規定を備忘録とする。『新潮』(新潮社)2024年7月号に掲載されていた「第57回 新潮新人賞応募規...
伴田良輔の『眼の楽園』―バラとデイヴィッド・リンチ
伴田良輔著『眼の楽園』「薔薇と雲」におけるバラの花とリンチの映画について。
伴田良輔の「筋肉質のキューピッド」
【伴田良輔著『愛の千里眼』「筋肉質のキューピッド」】 90年代に遡って、河出文庫(河出書房新社)の“日本文学”に類する出版目録を調べてみると、さすがにわが国の一癖ある名うての文庫ということもあって、澁澤龍彦の『エロスの解剖』や『華やかな食...
伴田良輔の『眼の楽園』―最後尾の美学
【伴田良輔著『眼の楽園』を開けば、そこには美しい女がいた…】 「悪貨は良貨を駆逐する」という言葉がある。グレシャムの法則と、辞書に出ている。 私がこの言葉を知ったのは、司馬遼太郎著『愛蘭土紀行Ⅰ』(朝日新聞社)であった。司馬さんは、学校...
伴田良輔の「臨月のジグソー」
【サブカルを迂回していては生きていけません。伴田良輔著『眼の楽園』】 円安が止まらない? 政府・日銀が24年ぶりにドルを売って円を買う為替介入に踏み切った?――。 はい、それがどうかしましたか?――。 そんなふうにきょとんとして、こう...
伴田良輔『眼の楽園』―インコと女の子
【伴田良輔『眼の楽園』より、ある女の子の貼紙をデジタル画像化】 いつか死ぬまでに、本気で会いたいと思っている大師匠の文芸作家・伴田良輔氏の名著の数々を綴っている私の趣味周辺においては、世の中のデカダンスも喜劇に過ぎず、キザなアフォリズムの...
シノゴの伴田良輔―ふくよかな「休暇論」
【伴田良輔著『愛の千里眼』のエッセイ「休暇論」】 アーネスト・ヘミングウェイの『移動祝祭日』(“A Moveable Feast”)の本を開くと、こんな文章がある。《もし幸運にも、若者の頃、パリで暮らすことができたなら、その後の人生をどこ...
伴田良輔『眼の楽園』―社交と礼儀
【伴田良輔著『眼の楽園』(河出書房新社)】 伴田良輔氏のフェティッシュなセクシュアル・フォトグラフィー&エッセイ集『愛の千里眼』(河出書房新社)を初めて読んだ、20歳そこそこの学生の身だったあの頃が、ひどく懐かしい。東京・上野の母校に程近...