道具と機械の本

※以下は、拙著旧ブログのテクスト再録([Kotto Blog]2011年10月9日付「道具と機械の本」より)。

 今日は短めに。
 未だ、読み終えることができないでいる『若い藝術家の肖像』。前回、〈アイルランドの歴史に疎い私〉と書いたものの――もちろんその範疇であることは間違いないのですが――付け加えておきます。
 20代の半ばから後半にかけて夢中になって読んだ、司馬遼太郎著[街道をゆく]シリーズの中の『愛蘭土紀行I』を、実はその頃読んでいたのです。にもかかわらず、忘れていたわけです。
 それも今日、書棚を向いて偶然目にとまり、気がつきました。さらに文庫本を手に取って驚いたのは、朝日文庫の二色刷の栞が、しっかり「文学の街」の稿に挟まっていたこと。「文学の街」は司馬先生がまさにダブリンを旅した紀行の箇所であり、ジェイムズ・ジョイスの『ユリシーズ』の話題のところ。忘れるにも程がある…と猛省。
 さて、話は変わります。これも短めに。
 最近の岩波書店の広告で、デビッド・マコーレイ著『新装版 道具と機械の本―てこからコンピューターまで』を目にしました。生活の中の道具と機械の原理や仕組みを、非常に精緻で柔らかみのある図画によって説明してくれる絵本です。大型本で7,980円と値の張る上等本。
 私が子供の頃、こんな上等な絵本では決してない、もっと薄っぺらい絵本だったけれども、牧場の家畜牛の乳がどのようにして牛乳やチーズなどの製品になるかを図画で説明した絵本があって、子供だった私は何度も何度もこの本を開いたことを思い出しました。物の原理や仕組みを説いた図鑑などの本は、とても関心が高かったのです。『新装版 道具と機械の本―てこからコンピューターまで』は図書館で見ることができたら最高なのでしょうが、やはり子供時代に何度も何度も、じっくり読んでもらいたい本であると思います。

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