ベストセラー本『HOW TO SEX』への回帰
文学
人新世のパンツ論⑤―あなたの彼にいかがですか?
昨年11月より不定期で開始したシリーズ「人新世のパンツ論」の第5回。このシリーズでは、男性下着のパンツとそれにまつわる言説を拾い集めていき、自己肯定感とおしゃれとの関係について紐解いていく。 《あなたの彼はどんな下着をはいていますか。白?...
『バタアシ金魚』のこと
【映画『バタアシ金魚』のビデオテープ】 私が書いたウェブ小説サイト[架空の演劇の物語]の中で、ある登場人物の住んでいる町として、千葉県の「千城台」(ちしろだい)とした箇所が出てくる。 なぜ「千城台」なのかについての理由の一つは、イングラン...
[架空の演劇の物語]を書き終えて
【主人公・平井文隆を軸とした若き演劇人たちの演劇活動些末を描いた】 先日、青沼ペトロのウェブ小説サイト[架空の演劇の物語]を脱稿した。あの小説は、90年代の若者たちの、可憐なる演劇熱について書いたつもりである。“架空の”――とあるように、...
大谷翔平にふれるひと
身も心も清廉潔白な人なんていやしない。 前稿の「『スター・ウォーズ/ジェダイの帰還』におけるジャバ様のこと」の中で、多少皮肉めいて悪辣かつ卑劣なジャバ・ザ・ハットに捕らわれたレイア姫のことを書いたが、なんといってもそのレイア姫を演じたキャリ...
開高健『開口閉口』―やらされることの美学〈2〉
【映画『ジャッカルの日』で殺し屋ジャッカルを演じたエドワード・フォックス】 前回からの続き。 フランス語にデジャヴュ(déjà-vu)というのがある。まだ見たはずのないものが、さも過去に見たような感覚を呼び起こされることの意で、既視感とか...
開高健『開口閉口』―やらされることの美学〈1〉
【清らかな自然に囲まれた山荘より】 ――こんな夢を見た。 人権擁護の活動家である私は、都会の喧騒を離れて、山荘にこもった。 夜な夜な、名前のよく知らない銘柄のスコッチを一杯飲む。すると、じんわりとした温かさが体を包み込んで、疲労感が一気に...
鈴木清順『陽炎座』―アナ・ボルの時代
【鈴木清順「生誕100年記念」浪漫三部作4Kデジタル完全修復版の全国公開(2023年)】 一昨年、鈴木清順監督の“(大正)浪漫三部作”――『ツィゴイネルワイゼン』『陽炎座』『夢二』を追いかけるといって中途、意味もなく1年以上空かしてしまっ...
ストーンヘンジに魅了されていた頃
【小学館入門百科シリーズ34/和巻耿介著『世界ミステリーゾーン』】 私がちまちまと配信しているウェブ小説サイト[架空の演劇の物語]の「第11章」には、「オレ」が夢を見た云々が記されている。その文面に《巨大で分厚い石像》とあるが、本文下のイ...
ウォーアイニーと中国茶
【私が愛用している中国茶器】 唐突ではあるが、長らく遠ざかっていた中国茶(Chinese Tea)に関する話をしてみたい。 私淑するmas氏が2000年から約1年にわたってウェブ展開していた、幻のサイト[中国茶のオルタナティブ](サブタ...
1981年アメリカの映画館事情
映画に関する個人的な備忘録として、短めに雑文を残しておきたい。テーマは、1981年のアメリカ(とくにシアトル周辺)の映画館事情に関してである。 ハリウッド映画産業の浮き沈み 月刊誌『キネマ旬報』(キネマ旬報社)2023年9月号に、映画・音...