写真集『nude of J.』
コーヒー
人新世のパンツ論⑬―腰パンとステテコの話
前回の危険な雰囲気から逃れて、今回の「人新世のパンツ論」は、平易な地平の、日常的な趣に心を溶かし込みたい。パンツの身だしなみとおしゃれを追求するテーマである。 こうした私の素朴な試みを応援してくれる友は、文芸の中にこそあった。朝日新聞の「...
ブルーな春の星を書き替える
【たぶん私はこの本をなにがなんでも手放さないと思う】 ライ麦パンにイタリアンチーズをのっけて食べるところから始めようか。そうでないなら、ジェイ・マキナニー(Jay McInerney)のオフィスにある、コーヒーショップでテイクアウトしたコ...
日々の某と「新潮新人賞」の備忘録
【2024年5月2日付朝日新聞朝刊「米大学占拠 学生ら抗議のうねり」】 先日の「小説すばる新人賞」の例に倣って、ここでは「新潮新人賞」の応募規定を備忘録とする。『新潮』(新潮社)2024年7月号に掲載されていた「第57回 新潮新人賞応募規...
ブログ的ブログというスパンコールの輝き
【私も好きな成分調整牛乳の「まきばの空」】 先日、10年以上活用していたFacebookのアカウントを「退会」した。一切合切、これまでのログは抹消されることになるはずだが、厳密には、「退会」の手続き後30日まではログは残され、その間であれ...
人生の明暗と描かれる夢―『星に願いを、そして手を。』
【青羽悠著『星に願いを、そして手を。』】 先月、ちょうど私の手元に、青羽悠著『星に願いを、そして手を。』(集英社)の分厚い単行本が届いた頃、集英社のPR誌『青春と読書』3月号にて、青羽悠と朝井リョウの対談が掲載されているのを知った。この同...
漱石パスティーシュ
【問題作?とも言える映画『ユメ十夜』】 先日、大相撲の初場所で大関・稀勢の里が、自身における“悲願”の初優勝を成し遂げた。そうして連日、「日本人横綱が19年ぶりに誕生」という“歓喜”の話題を多くのメディアが取り上げた。私も長年、稀勢の里を...
『洋酒天国』とバーボンの話
【『洋酒天国』第29号】 花散らしの風とはよく言ったもので、もうすっかり暖かくなった昼下がり、桜並木のたもとで桜が散り、自動車が通るたびにさらに散った花びらが舞う、という中を、顔に花びらを当てながらのんきに通り過ぎたりして、誠にこの時期は...
伽藍の夏
※以下は、拙著旧ホームページのテクスト再録([ウェブ茶房Utaro]2011年6月8日付「伽藍の夏」より)。 1992年創作短篇「伽藍の夏」より 私の人格を支えているものとしての根底、それがどうやら、谷崎政彦の存在であった。彼との...