上野

文学

『江戸川乱歩傑作選』より「赤い部屋」

【結局、県外の書店で買うことができた『小説すばる』】 当たり前のことを書くが、書店では本を売っている。その確固たる書店が、あちらこちらで閉店していると聞く。名の通った大手の書店さんですら店じまい、もしくは撤退しました、といったニュースを、私...
文学

ヘミングウェイを買いに東京に行く

【東京・JR上野駅公園口の風景】 関東のとある片田舎に住んでいて、昨今では駅周辺の界隈が荒んできて、ぽつぽつと馴染のショップがシャッターをおろしてしまっている。新しいショップがオープンすることもない。全体として、見るも無惨なくらいに、活気が...
写真・カメラ

細江英公の『シモン・ある私風景』〈2〉

【細江英公『シモン・ある私風景』より荒川放水路・四ツ木橋付近にて四谷シモン】 前回からの続き。細江英公の代表的な作品といえば、1961年の『おとこと女』、63年の三島由紀夫の身体による『薔薇刑』、69年の土方巽がモデルの『鎌鼬』、84年の『...
文学

伴田良輔の「震える盆栽」再考

【1986年刊の『NEW NUDE 3』】 作家でありセクシュアル・アートの評論家でもある、伴田良輔氏の様々な文筆作品に目を通す機会が多かった私は、その最初に出合ったショート・ショート作品「震える盆栽」の妖しげで奇怪なる感動が今でも忘れられ...
音楽

グレース・バンブリーのカルメン

【グレース・バンブリーによる歌劇「カルメン」】 私のカルメン狂、カルメン愛――。 先日、東京・上野駅の不忍口を出てすぐのスペイン料理店Vinuls(アトレ上野1階)を訪れようとしたところ、あいにく手持ちの“時間”の余裕がなく、入ることができ...
書籍

空想と本の物語

【2016年11月27日付朝日新聞「折々のことば」】 本に対する愛着を示せ――の答えが、ここにあった。2016年11月27日付朝日新聞のコラム「折々のことば」に挙がった北田博充さんの以下の言葉である。《空想は現実の反対側にあるものではなく、...
千代田学園

千代田学園の学生文芸誌

【千代田学園の学生文芸誌『どん』第16号】 私が22年前に卒業した千代田工科芸術専門学校[音響芸術科]に在学中、芸術課程が発行した学生文芸誌『どん』というのがあった。 『どん』は、学校の芸術課程のうちのマスコミ文芸科と宣伝クリエイティブ科の...
美術

バルテュス展―無垢なる目撃

日頃、《音楽を演奏する》という一括りのありきたりな言葉に囚われすぎると、その本質を見失うことがある。 そもそも《音楽》を《演奏する》とは何であろうか。 ある空間における時間軸に沿った出音の集合体――その密と疎の波動が三次元で人間の聴覚に到達...
千代田学園

学生必携

※以下は、拙著旧ホームページのテクスト再録([ウェブ茶房Utaro]2010年9月23日付「学生必携」より)。 〈1〉学校の追憶 【校舎1号館を写した最後の写真(2002年8月)】 卒業生である私にとっては不慮の事象であるとしか言い様のなか...
音楽

ジャズとカレー

恐縮だが、手元に今彼らの情報がない。 チケットを予約した時点から詳らかなデータがなかったのだから、本当に演奏のみを味わうしかなかった。 2000年6月21日、赤坂にあるサントリーホールにて、「ヨーロピアン・ジャズ・トリオ」の演奏を聴いた。 ...