人新世のパンツ論⑩―日本人の羞恥心とパンツの謀略
愛の千里眼
伴田良輔「天国のフェイマス」
【伴田良輔著『愛の千里眼』(河出文庫)よりエッセイ「天国のフェイマス」】 およそ1年ぶりくらいご無沙汰して、伴田良輔著『愛の千里眼』(河出文庫/1991年初版)を手に取り、読み耽った。きわめて珍しいことなのだけれど、今頃になって、気にも留...
日々の某と「新潮新人賞」の備忘録
【2024年5月2日付朝日新聞朝刊「米大学占拠 学生ら抗議のうねり」】 先日の「小説すばる新人賞」の例に倣って、ここでは「新潮新人賞」の応募規定を備忘録とする。『新潮』(新潮社)2024年7月号に掲載されていた「第57回 新潮新人賞応募規...
伴田良輔の「筋肉質のキューピッド」
【伴田良輔著『愛の千里眼』「筋肉質のキューピッド」】 90年代に遡って、河出文庫(河出書房新社)の“日本文学”に類する出版目録を調べてみると、さすがにわが国の一癖ある名うての文庫ということもあって、澁澤龍彦の『エロスの解剖』や『華やかな食...
伴田良輔「クチナシの花」考
【伴田良輔著『愛の千里眼』よりエッセイ「クチナシの花」】 一瞬なる偏狂が、持続可能な酔狂となりうることを、私淑する作家・伴田良輔氏の非凡なるエッセイから読み解いた――いや学び取ったのは、もう既に30年も前のことになる。 非凡なるエッセイ...
シノゴの伴田良輔―ふくよかな「休暇論」
【伴田良輔著『愛の千里眼』のエッセイ「休暇論」】 アーネスト・ヘミングウェイの『移動祝祭日』(“A Moveable Feast”)の本を開くと、こんな文章がある。《もし幸運にも、若者の頃、パリで暮らすことができたなら、その後の人生をどこ...
伴田良輔『眼の楽園』―社交と礼儀
【伴田良輔著『眼の楽園』(河出書房新社)】 伴田良輔氏のフェティッシュなセクシュアル・フォトグラフィー&エッセイ集『愛の千里眼』(河出書房新社)を初めて読んだ、20歳そこそこの学生の身だったあの頃が、ひどく懐かしい。東京・上野の母校に程近...
伴田良輔の「震える盆栽」再考
【1986年刊の『NEW NUDE 3』】 作家でありセクシュアル・アートの評論家でもある、伴田良輔氏の様々な文筆作品に目を通す機会が多かった私は、その最初に出合ったショート・ショート作品「震える盆栽」の妖しげで奇怪なる感動が今でも忘れら...
寺山修司―三分三十秒の賭博とアスファルト・ジャングル
【寺山修司の『書を捨てよ、町へ出よう』角川文庫】 今年に入って、寺山修司の文筆と映像の世界にどっぷりと浸かり始めた。この世界の、至る所から漂う臭気とは、いったい何か――。それは決して花の香りでも、柑橘系の香りでも、ない。乾いた土に雨が降り...
フェティシズムの流儀―『奇妙な本棚』
【伴田良輔著『奇妙な本棚』より】 ハンガリーの写真家マーティン・ムンカッチ(Martin Munkacsi)の写真「Nude with Parasol」が美しく綺麗にソラリゼーション化されて装幀になった本、伴田良輔著『奇妙な本棚』(芸文社...
『震える盆栽』を読んだ頃
※以下は、拙著旧ホームページのテクスト再録([ウェブ茶房Utaro]2011年2月10日付「『震える盆栽』を読んだ頃」より)。 1991年から93年春にかけて、通学と散策でほぼ毎日、上野・下谷をうろついていた私は、ある日、小さな書店を発見...