開高健『開口閉口』―アリ釣りとオスとメスの話
新宿
映画『サイコ』とラブホの関係
【映画『サイコ』に出演したジャネット・リーとジョン・ギャヴィン。そして監督のアルフレッド・ヒッチコック(右)】 春の夕刻、新宿のとあるショップの前で落ち合った。大きな交差点をわたり、ひしめく雑踏から逸れて、私たちはいくつかのビルを横切って...
千代田学園の「千代田祭」備忘録
母校の高校の創立20周年記念誌の記念撮影 私のうしろ隣りにいる友人が持っているのは雑誌『ぴあ』 一昨年の12月に母校の工業高校の創立20周年記念誌(1990年)を断舎離した際、その“記念写真”をデジタル・アーカイブして発見したのは、友人が...
[架空の演劇の物語]を書き終えて
【主人公・平井文隆を軸とした若き演劇人たちの演劇活動些末を描いた】 先日、青沼ペトロのウェブ小説サイト[架空の演劇の物語]を脱稿した。あの小説は、90年代の若者たちの、可憐なる演劇熱について書いたつもりである。“架空の”――とあるように、...
かつてジャニーズはメディアの寵児だった〈2〉
【ジャニーズ事務所の一時代を築いたアイドルグループ、“フォーリーブス”】 ネット上における奇妙な“凡例”として、こと芸能ニュースにおいてはとくに、それ自体が“生もの”として扱われているせいか、ごく一定の期間が過ぎるとニュースサイトのページ...
ベルばらと『地縛霊 恐怖の心霊写真集』
【『ベルサイユのばら』のオスカルに扮装した女性。しかし心霊が…】 昭和が遠くなりにけり――。平成時代ですら、もはやその“体験の記憶”を留めておくことができなくなってきた感がある。昭和は、さらに古く、遠い怨念に満ちた過去という印象が拭えない...
古き良き『洋酒天国』―ふたたび49号
【酒飲みすこぶる歓迎『洋酒天国』第49号】 「毎晩、晩酌かい?」――。知り合いの方にそう訊かれ、おもむろに「ウイスキーを毎晩少し」と答えた。まさか今、〈ちょっとした心積もりで禁酒中なんです〉――とは言えず、その後会話は外連もなく流暢に弾ん...
老人と子供のポルカ
【左卜全とひまわりキティーズが歌う「老人と子供のポルカ」】 所有していたヴァイナル(レコード盤)が、家中を探しても、どうしても見つからない。いま私は、EP盤の「老人と子供のポルカ」(ポリドール)を探している。 これを歌っているのは、俳優...
よみがえる『洋酒天国』―ニューヨークの酒場
【新しく入手した『洋酒天国』第2号。表紙は柳原良平】 『洋酒天国』の第1号から第61号まで全号踏破し、昨年の11月、感極まって「プレイバック―さらば洋酒天国、恋のソプリツァ」を書いた。既に私の手元には、蒐集したこれらの冊子群は一切無い。―...
トリュフォーの『大人は判ってくれない』
【フランソワ・トリュフォー監督の映画『大人は判ってくれない』DVD】 映画狂の必須アイテムである、フランソワ・トリュフォー著『定本 映画術 ヒッチコック/トリュフォー』(晶文社)が、片田舎の地元の、しかも自宅から5分もかからない所にある小...
細江英公の『シモン・ある私風景』〈2〉
【細江英公『シモン・ある私風景』より荒川放水路・四ツ木橋付近にて四谷シモン】 前回からの続き。細江英公の代表的な作品といえば、1961年の『おとこと女』、63年の三島由紀夫の身体による『薔薇刑』、69年の土方巽がモデルの『鎌鼬』、84年の...