私たちのレコード・コンサート

【教科書「改訂 中学音楽1」】
 つい最近、自分の中学生時代に母校で扱われていたと思われる音楽の教科書「改訂 中学音楽1」を入手した。懐かしさもあって、時折読み耽っている(Dodidn* blog「『早春賦』と教科書」参照)。
 ここで改めて発行の年月日を書いておくと、教育出版株式会社発行、昭和61年3月31日文部省検定済、平成元年3月31日改訂検定済。平成3年発行の「改訂 中学音楽1」。ちなみに私は昭和60年(1985年)で中学1年生であった。
 「改訂 中学音楽1」の表紙は、3種のリコーダー(ブロックフレーテ)を気球あるいは飛行船に見立てて、大空を彷徨っているメルヘンチックな画。この時代の他の教科の教科書より、イラストを採用している分、教科書としては硬派ではなく取っ組みやすかった気がする。
 この教科書の裏表紙はというと、カントリー・ミュージックのライヴとインディオの民族音楽の演奏を写した写真が1カットずつレイアウトされている。
 カントリー・ミュージックの方は、どうやらWillie Nelson(ウィリー・ネルソン)のライヴ写真のようだ(この写真とは直接関係ないが、2004年に市販されたDVDでウィリー・ネルソンを讃えるコンサートのものがあり、キャロル・キングが出演しているらしい。私はこのDVDが観たくてたまらない)。
 こうして懐かしい教科書を眺めてはいるが、私自身は中学校時代の音楽授業の思い出には非常に乏しい。
 強いて言えば東龍男作詞、平吉毅州作曲の「気球にのってどこまでも」を班ごとに合唱したのを憶えているくらいだ。他はほとんど印象に残っていない。中学校の3年間を通じて、よほど音楽授業が退屈だったのか面白くなかったのか。
 いま教科書を読み返してみれば、まったくつまらない内容だとも思わないのだが、中学生特有の、主観的でひねくれた立場では、これがつまらなく思えたのだろう。家ではブラック・コンテンポラリー(いわゆるソウル・ミュージック)を聴いていたが、学校の音楽授業とは別物、と独善的にとらえていた。
*
 この教科書の中で、“独奏曲の名曲を訪ねて”の「私たちのレコード・コンサート」というページに感心させられた。
【私たちのレコード・コンサート】
《鑑賞のポイント
1.いろいろな楽器の独奏曲の名曲を探して聴き、その音色に親しもう。
2.世界の名曲に親しみを持つようにしよう。

◇レコード・コンサート
 先生の指導を受けながら、自分たちで計画してレコード・コンサートを開こう。
◇活動の手順
 1年間に開く回数を決め、班編成をして次のような手順で活動しよう。

①主題と選曲
 ○「主題」を話し合って決める。
 ○主題に合った曲を、演奏時間や難易度を考慮して決める。
②事前の学習
 ○曲を聴いて内容を知る。
 ○参考図書で作曲家や曲について調べる。
③発表の準備
 ○曲目の解説者を決める。
 ○司会者、レコード係、機械操作係などを決める。
④レコード・コンサート
 ○全体の時間配分に注意する。
 ○音量や音質調整に注意する。
 ○まとめの時間をとること》
 今となっては、ぜひぜひやってみたいと思えるプランニングである。しかし、マテリアルとなるレコード(CD)が、どれほどその学校の音楽準備室にストックされているのか、甚だ疑問ではある。
 そもそも、独奏曲の名曲、世界の名曲とあるが、クラシック音楽の範疇に留めるべきか否か。これは先生の指導を受けなければなるまい。
 J-POPオーケーすか?ヒップホップ不可?チルウェーブは?と矢継ぎ早に問われても今どきの先生は、器用に答えられなければならない。いやいや、大丈夫なはずである。

コメント

タイトルとURLをコピーしました