人新世のパンツ論②―パンツは世界を掌握する
写真・カメラ
朝井リョウの『生殖記』はナニを語っていたか
【はい、朝井リョウさんの『生殖記』読み終わりました】 当ブログの今月の投稿「私は朝井リョウの『生殖記』を読み始めるというのか」で予告したとおり、それから程なくして渦中の小説を読了し、今これを書いている。 朝井リョウ著『生殖記』(小学館)...
素晴らしき電子リコピー
イタリアのピエル・パオロ・パゾリーニ(Pier Paolo Pasolini)監督の映画を特集したフィルムアート社の映画雑誌『季刊フィルム』(No.5/1970.3.1)の広告に、リコー社の電子リコピー「BS-320」が掲載されていて、毎度...
私は朝井リョウの『生殖記』を読み始めるというのか
【買ったばかりの『生殖記』。著者は朝井リョウ】 私は作家・朝井リョウが好きである。存在感が好き。作品が好き…。それで済むなら話は早い。ひたすら彼が打ち出す作品を、逐次読み重ねていけばいいだけの話だ。 今月、小学館より10月に刊行されたばか...
何もかもがわからないということ
【岸本佐知子さんの連載「ネにもつタイプ」より「窓」】 ひょいとそれを読んだら、まるで阿刀田高氏のブラック・ユーモア的なショートショート、あるいは怖い夜話といった感じで、実に摩訶不思議なエッセイだったので、今回は取り上げてみたい。筑摩書房の...
人新世のパンツ論⑰―特別編II・フンドシと森鷗外の『ヰタ・セクスアリス』
【わたくし、鷗外さんとはあまり縁が無いと思っていたが…】 「人新世のパンツ論⑭―最終回・愛しきフンドシは二度ベルを鳴らす」では、かつてフンドシが、「日本民族」の「精神的支柱」だった云々をテーマにした。そこでは、私自身が穿いた“フンドシ風”...
開高健『開口閉口』―でっちあげられた酒
【もう当然のごとくおなじみである開高健著『開口閉口』】 いよいよ天下のザ・マッカラン(THE MACALLAN)を飲もうかしらんと思った矢先、開高健の“マゼモノ酒”云々の話を本で読んだために、なんとなく気勢がそがれ、ここは一つ落ち着いて、...
二つの序章―パゾリーニとリコーの印刷機
【パゾリーニ監督とその映画に思いを馳せていると必ず現れる「小さな巨人」】 私は長年、イタリアのピエル・パオロ・パゾリーニ(Pier Paolo Pasolini)監督の映画に対して、インポテンツであったという事実はない。 しかるに、このパ...
人新世のパンツ論⑯―特別編I・ペペッティ、ココッティ、スキャンティ
【長崎屋のこのビキニも実は、スキャンティだった?】 私が下着デザイナーの鴨居羊子さんを知ったのは、5年くらい前である。その頃まだ果敢に蒐集していた壽屋(現サントリーホールディングス)PR誌『洋酒天国』(洋酒天国社)の第3号(昭和31年6月...
人新世のパンツ論⑮―編集後記・レナウンのワンサカ娘
昨年の11月より開始した「人新世のパンツ論」シリーズは、およそ10か月間、不定期連載を続け、先月14回目の「人新世のパンツ論⑭―最終回・愛しきフンドシは二度ベルを鳴らす」で無事に脱稿することができた。振り返れば、平易なパンツ論でありつつ、少...
伴田良輔『眼の楽園』―モーテルという享楽
【またもや登場。伴田良輔著『眼の楽園』】 人々の内に秘めた猥雑さを剥ぎ取ってしまったもの、それがパンデミックのコロナ禍(COVID-19)だ。コロナ禍が、あらゆる想念の《旅愁》すら消し去ってしまった。 それを取り戻すのに、およそどれだけの...