ヘミングウェイ

科学

岸本佐知子さんのアピヨンポンポン

【『ちくま』2024年9月号より岸本佐知子連載「ネにもつタイプ」】  これを書かずにいると、夜も眠れなくなる――と思ったので、書いておくことにする。  翻訳家でエッセイストの岸本佐知子さんが、筑摩書房のPR誌『ちくま』で「ネにもつタイプ」を...
性教育

人新世のパンツ論⑧―パンツのモリとエイセイ

【ズバリその通りなのです。とりかえるべきものはパンツと旦那さんかもしれない】  小学4年生だったか、学校の砂場で砂遊びに大変夢中になったことがあった。友達と一緒にエッサホイサと砂を盛り上げ、片方にとんでもない高さの砂山ができ、もう片方は地べ...
文学

ヘミングウェイを買いに東京に行く

【東京・JR上野駅公園口の風景】  関東のとある片田舎に住んでいて、昨今では駅周辺の界隈が荒んできて、ぽつぽつと馴染のショップがシャッターをおろしてしまっている。新しいショップがオープンすることもない。全体として、見るも無惨なくらいに、活気...
文学

シノゴの伴田良輔―ふくよかな「休暇論」

【伴田良輔著『愛の千里眼』のエッセイ「休暇論」】  アーネスト・ヘミングウェイの『移動祝祭日』(“A Moveable Feast”)の本を開くと、こんな文章がある。《もし幸運にも、若者の頃、パリで暮らすことができたなら、その後の人生をどこ...
文学

寺山修司―三分三十秒の賭博とアスファルト・ジャングル

【寺山修司の『書を捨てよ、町へ出よう』角川文庫】  今年に入って、寺山修司の文筆と映像の世界にどっぷりと浸かり始めた。この世界の、至る所から漂う臭気とは、いったい何か――。それは決して花の香りでも、柑橘系の香りでも、ない。乾いた土に雨が降り...
写真・カメラ

ぐだぐだと、寺山修司と新宿風月堂の話

【福島菊次郎の写真集より60年代の新宿風月堂】  新宿…シンジュク…Shinjuku――と、かの時代の新宿に思いを馳せてみる。1960年代から70年代にかけての新宿。その頃私はまだ生まれていなかったから、1980年代以前の新宿の空気を知らな...
美術

赤いパンツの話〈二〉

【ザミラ社の赤いパンツを穿いてアートワークのスチル撮影】  前回の赤いパンツの話の続き。今回は少々深い話で、長い。  たかがパンツ、されどパンツなのである。パンツを侮ること勿れ。パンツ(=アンダーウェア)というものは、穿いている本人と日常生...
文学

硬派な短篇小説と『洋酒天国』

【壽屋PR誌『洋酒天国』第55号】  このところ好んで開高健氏のルポルタージュやらエッセイに読み耽っている。大阪時代の話が、めっぽうギトギトしている感じがして、読んでいるこちらも思わず汗を掻く。そのせいか、大人向けの渇いた感じの読み物の、ヨ...
飲み物

ラフロイグのスコッチ

【ラフロイグの10年物】  とある英字新聞で、“like a dog with a bone”という慣用句を知った。根気強い、粘り強い、という意。その新聞では、ある映画を紹介していて、“like a dog with a bone”はその映...