テレビ

映画

遅ればせながら『早春物語』

【映画『早春物語』の当時のパンフレットより】 小学校時代の幼馴染みで、女優・原田知世さんのデビュー当時から彼女の大ファンだった男友達のHは、私と同じ工業高校まで腐れ縁であった。その日々を懐かしく想う。 20代の後半期に差し掛かった頃、別の友...
文学

私は朝井リョウの『生殖記』を読み始めるというのか

【買ったばかりの『生殖記』。著者は朝井リョウ】 私は作家・朝井リョウが好きである。存在感が好き。作品が好き…。それで済むなら話は早い。ひたすら彼が打ち出す作品を、逐次読み重ねていけばいいだけの話だ。 今月、小学館より10月に刊行されたばかり...
音楽

人新世のパンツ論⑮―編集後記・レナウンのワンサカ娘

昨年の11月より開始した「人新世のパンツ論」シリーズは、およそ10か月間、不定期連載を続け、先月14回目の「人新世のパンツ論⑭―最終回・愛しきフンドシは二度ベルを鳴らす」で無事に脱稿することができた。振り返れば、平易なパンツ論でありつつ、少...
科学

岸本佐知子さんのアピヨンポンポン

【『ちくま』2024年9月号より岸本佐知子連載「ネにもつタイプ」】 これを書かずにいると、夜も眠れなくなる――と思ったので、書いておくことにする。 翻訳家でエッセイストの岸本佐知子さんが、筑摩書房のPR誌『ちくま』で「ネにもつタイプ」を連載...
映画

『ぴあ』―素通りしてしまった映画たち

【キアヌ・リーブスさんの懐かしい広告。サントリーのリザーブ】《香りたつたび、何かが起こる。》 氷の入ったグラスを片手に、柔らかな光を顔に当てられた俳優キアヌ・リーブス(Keanu Reeves)さんが実に若々しい。ガス・ヴァン・サント(Gu...
性教育

人新世のパンツ論⑫―ゆとれぬパンツの危険な冒険

【スキャンダルに職業は関係ないが、タレントはやはり人気商売ゆえにおごりがあるのだ】 高校野球の開会式をテレビで観ながら、「ミミズにおしっこをかけるとおちんちんがはれる」について考えていた。子どもの頃にそんな言い伝えを聞いたことがあった。ミミ...
文学

江戸川乱歩から始まった私の小説旅

【大人になってから入手したポプラ社の「少年探偵」シリーズの本】 小学校時代、学校の図書室に入り浸って、江戸川乱歩の「少年探偵」シリーズをよく読んだり借りたりしていた――という話を、十数年前に書いた(「江戸川乱歩と図書室の話」)。その頃は、た...
学校

人新世のパンツ論⑪―安心安全なトランクスと海パンの話

ワコールが2008年に実施した「男性の心理と下着に関する意識調査」(※首都圏の15歳から64歳の男性個人を対象)によると、8割弱の男性がトランクスを選んで穿いているという。 例えばそれ以外では、ボクサーパンツやボクサーブリーフは、働き盛りの...
性教育

人新世のパンツ論⑨―日本男児の終焉とスーパーな昭和50年代

【かつて長崎屋で販売されていたスーパービキニタイプのブリーフを入手】 かつて衣料品の流通販売で活況を呈していたスーパーマーケットの長崎屋(※屋号のロゴ表記は長﨑屋)の、スーパービキニタイプのブリーフを入手した。その「サンバード」という独自ブ...
文学

開高健『開口閉口』―アリ釣りとオスとメスの話

【開高健著【開口閉口】(新潮文庫)】 ――こんな夢を見た。 人権擁護の活動家である私は、都会の喧騒を離れて、ある山荘にこもった。夜な夜な、スコッチの後に、オールド・トム・ジンをベースにしたトム・コリンズのカクテルを一杯飲む。かけているレコー...